宜野湾市にあった田園書房で一冊の本を手に入れた
それはビートルズのジョージハリスンが敬愛していた人物
インドのパラマハンサ・ヨガナンダの講話を記録した本
「人間の永遠の探求」という名で
そこには1940年の講話の中にこのように記載されている
「'二羽の雀が1アサリオンで売られている
だがその一羽さえ、あなたがたの父の許しがなければ
地に落ちることはない'マタイによる福音書
とイエスいっています。どんな人の人生経験も
すべて神の記憶の中にあります。
かつて起きた全ての出来事をしっている意識など
われわれさ想像することもできません」
という彼の例えを使った言葉は、若い頃の僕の胸に響いた
人は分からないものを分からなくても良い
とはなかなか思えないもの
どうしても知りたがってしまうもの
その好奇心が向上させ 時に堕落もさせる
当時の私は自分の道が向上に向かうと信じてやまなかった
信じなくては前に進めなかった とでも置き換えよう
この頃にはもう 絶えず上下に行き来する気持ちの動きに
心底疲れてしまっていた
どこかで休みたくても休めない そんな習性があることを知っていた
しかし心の安定や安らぎを得るために また努力を重ねようとする
気がつく頃には自分でも分からないうちにへとへとになっている
それなのに 不思議な体験や偶然とは思えない出来事は
誰の人生にも一度や二度、訪れるものです
誰かのことを考えたり思い出したりしてたら
その人から電話がかかってきたり 道でばったり会ったりする
欲しいなと思っていた物が手に入ったり
やってみたいと願ったことが実際に経験として得られたりと
振り返ってみると説明のつかないことなど山ほどあるでしょう
ある日の出来事で忘れられないことがある
急に静寂に包まれる 自分の中にも音がなく
周りの様々な騒音でさえ その時ばかりは静かになる
どこか遠くへ音が去って やがて心の奥から幸福感が湧いてくる
何をみても 何を聞いても ただただ美しい!
映画 雨に唄えば のワンシーンのような
すぐにでも踊り出してしまうのを堪えるのがやっと!という具合に
今までに経験したことのない大きな喜びがそこにあった
それから聞こえてくる、静寂の中に響く確かな 音や声 がある
それはその静かさの状態でないと決して聞くことのないもの
その摩訶不思議な体験の思い出が
ヨガナンダの言葉に深く惹かれた要因でもあった
神は我々に自由をお与えになった
という言葉がある
もしかするとその自由とは
信じる世界を選ぶ自由 と仮説してみるとどうだろうか
快楽に溺れるのも選択 真面目一点張りで生き抜くのも選択
UFO研究に没頭するのも選択 家族愛に人生設計を立てるのも選択
自分が何を希望しているかで 見えるもの触れるもの感じるもの
その全てを自分で選べるようになっているとすれば
少しは気持ちが楽になるのかも知らない
僕はどの世界を造りその扉をノックしているのだろうと
そんなことを考えたりした 真夏の蒸し暑い夜
友人と海岸で焚き火をして 砂浜でごろんと横になって星を見た
ちょうど焼き芋がいい感じでできて香ばしい匂いがする
もうインド行きも近いな〜 と友人が言った
そうか もう数日を切っている
心の中では 地元には戻ることの選択はなかった
当日
沖縄メンバーは那覇から羽田 そして成田までバスで移動した
成田で合流した東京のメンバーを見て この先が不安になった
つづく